HRガバナンス・リーダーズ株式会社

 

会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しの最新動向

中間試案から要綱案の取りまとめに向けた検討へ

  • Corporate
    Governance
  • Nomination/HR
  • Compensation
  • Sustainability

森・濱田松本法律事務所外国法共同事業
パートナー弁護士

小林 雄介

■ サマリー

次期会社法改正に向けた法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会における審議は、中間試案に対するパブリックコメント手続を経て、現在は要綱案の取りまとめに向けた段階へ移行して議論が進められている。もっとも、各論点については、中間試案の枠組みが概ね維持されることが想定されるものから、そもそもの改正の是非や制度設計自体の見直しが引き続き議論されているものまで様々であり、その議論の動向を注視することが必要といえる。

今回の見直しは、株主総会の在り方に関するテーマが相対的には多いとともに、企業実務の合理化や選択肢の拡大を図る、いわば規制緩和的な性格を有するテーマが比較的多い点も特徴といえる。上場会社の実務への影響が特に大きいテーマとしては、例えば、株式の無償交付の対象範囲の見直し、バーチャル株主総会、実質株主確認制度、「会議体」としての株主総会等の規律の見直し、事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化などが挙げられる。

各社においては、法改正の成立を待たずして、今回の見直しの議論を契機として、自社における株主総会の在り方や情報開示の在り方、株主との対話の考え方や対応方針などを改めて整理するとともに、改正を見据え、現時点で検討可能な事項を洗い出し、準備できることから順次検討を進めていくことも有意義といえる。

目次

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1.はじめに

 法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会(以下「部会」といいます。)においては、2026年4月に「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」(以下「中間試案」といいます。)が公表され、パブリックコメント手続に付されました¹。その後、部会においては、寄せられた意見を踏まえた上で、要綱案の取りまとめに向けた議論が進められています。
 今回の会社法制の見直しは、株式・株主総会等関係を中心に、上場会社等の実務にも幅広い影響を及ぼす可能性のある内容が含まれています。そして、中間試案を対象としたパブリックコメントを経て、中間試案で示されていた規律案に賛同が多かったものや大きな反対がなかったテーマも見えてきた一方で、様々な意見が寄せられどのような方向に収れんするか引き続き注視が必要なテーマもあるなど、議論の見通しにもグラデーションがあるといえます。そのため、現時点では、中間試案の内容を軸としつつも、要綱案の取りまとめに向けて、見直しがどのような方向に整理・具体化されつつあるかを把握することが必要な段階にあるといえます。
 会社法制の見直しの論点は多岐にわたることを踏まえ、本稿では、中間試案の内容を網羅的に解説するのではなく、パブリックコメントの結果及び可能な範囲で本稿執筆時点²までの法制審議会における議論も踏まえ、企業実務への影響が特に大きいと考えられる論点を中心に、その最新動向とポイントについて概観します。なお、文中、意見にわたる部分は、筆者の私見であり、筆者の所属する法律事務所の見解ではありません。

2.要綱案の取りまとめに向けた現在地

2-1 中間試案における検討対象

 中間試案では、「株式・株主総会等関係」の見直しとして、大きく分けて第1部「株式の発行の在り方に関する規律の見直し」、第2部「株主総会の在り方に関する規律の見直し」、第3部「企業統治の在り方に関する規律及びその他の規律の見直し」から構成されており、幅広いテーマが取り上げられています。例えば、株式の無償交付の対象範囲の見直し、バーチャル株主総会、実質株主確認制度の創設、「会議体」としての株主総会等の規律の見直し、事業報告等と有価証券報告書の開示の合理化など、近年の企業実務や資本市場を巡る課題を踏まえた改正テーマが取り上げられています(図表1)。
 なお、今回の見直し全体をみると、第2部「株主総会の在り方に関する規律の見直し」に属するテーマが相対的には多く、株主総会の在り方に関わる見直しが今回の改正の中心的テーマの一つとなっていることが見て取れます。また、今回の見直し全体を俯瞰すると、近年の企業実務の側、ないしは企業の成長を後押しする政府内からの改正要望を吸い上げる形で検討されているものも多く、結果として、企業実務の合理化や選択肢の拡大につながる、いわば規制緩和的な性格を有するテーマが比較的多いことも特徴として挙げられます。他方で、法制審議会においては、株主・投資家の立場から株主保護の観点を重視する意見も示されており、要綱案の取りまとめに向けても、企業実務の合理化と株主保護あるいは理論的な正当性との適切な均衡をどのように図るかといった点が、全体に共通する重要な視点となっています。

図表1

中間試案の大目次一覧
注:赤字は本稿で取り上げる実務的に注目のテーマを指す
出典:筆者作成

2‐2 現在地と今後の展開の見通し

 中間試案を対象としたパブリックコメントでは、上場会社、投資家、経済団体、法律・会計実務家などから多数の意見が寄せられました。これを受け、部会では、寄せられた意見を踏まえた検討が進められており、今後のスケジュールの見通しとしては、早ければ2026年度中に部会において要綱案の取りまとめが行われ、その後、早ければ2027年中に国会へ法案が提出・審議され、成立に至る可能性もあると想定されます(図表2)。
 現時点までの議論状況を見る限り、中間試案で示された基本的な枠組みが維持される部分も相応にあるとうかがわれます。他方で、各論点に関して、そもそもの改正の是非、制度趣旨の明確化や要件・制度設計の見直しを求める意見が数多く寄せられているところについては、パブリックコメントを踏まえた議論を通じて、理論上・実務上の懸念に配慮した方向性の見直しや規律の調整が図られる部分もあると見込まれます。また、パブリックコメント実施期間中に並行して行われた部会における参考人からの意見聴取の機会で述べられた意見³やその他の社会情勢の動向⁴から、中間試案の段階では取り上げが見送られたテーマについても、要綱案の取りまとめに向けて、今後部会において改めて議論がされていく動きもうかがわれます。
 このような中で、実務的には、部会における要綱案の取りまとめに向けた議論の動向を引き続き注視して、来たるべき法改正に備えていくことが重要と考えられます。

図表1

想定される今後のスケジュール
出典: 筆者作成

3.実務的に注目のテーマ

3-1 株式の無償交付の対象範囲の見直し

 現行法上、株式そのものを報酬等として付与する株式の無償交付は、上場会社の取締役又は執行役の場合のみに限って認められており(会社法202条の2)、従業員等には無償交付することが認められておりません。現行法の下でも、会社が対象者に対して金銭債権を付与した上で、当該債権を現物出資財産として給付させることにより、株式会社の従業員、子会社の役職員に対しても株式の交付を実現すること(いわゆる「現物出資構成」)は可能ですが、現物出資構成は技巧的である等として、株式会社の従業員、子会社の役職員に対しても端的に株式の無償交付を認めるべきであるとの指摘がされてきました。
 そこで中間試案では、株式の無償交付の対象範囲の見直しの規律案が提案され、具体的な制度設計としては、既存株主の利益への配慮の在り方についての異なる考え方から、二つの規律案が示されています。すなわち、【A案】取締役会決議のみで従業員等に対する株式の無償交付を可能とする一方、有利発行規制を適用する案と、【B案】株主総会決議(普通決議)により対象者の範囲及び交付株式数の上限を定めることを前提に、有利発行規制を適用しないことを認める案が示されています(規律案の概要等については図表3)。
 パブリックコメントにおいては、【A案】に賛成する意見、【B案】に賛成する意見、【A案】及び【B案】の双方の採用に賛成する意見等があり、意見が分かれたとのことです⁵。また、もともと本テーマについては、現行法の下で実務的に行われている現物出資構成にも同様の規律が及ぶとなれば規制強化になるのではないかと懸念する指摘もあるところです。さらに、結論を得るに当たっての前提として、従業員等に無償交付される株式の労働基準法上の「賃金」該当性についてどのように整理されるかが明らかにされる必要があるといった指摘もあるところですが、当該整理については関係省庁の間で引き続き検討中のステータスであるとうかがわれます。
 そのため、本テーマに関する改正の見通しは現時点では必ずしも明らかではない状況といえ⁶、引き続き議論の行方には注視が必要といえます。

図表3

中間試案における既存株主の利益への配慮の在り方を巡る規律案
出典:筆者作成

3‐2 バーチャル株主総会

 現行法の下では、場所の定めのない「バーチャルオンリー株主総会」は、産業競争力強化法に基づく経済産業大臣及び法務大臣の確認を経て一定の要件を満たした上場会社に限り開催が認められています。このような中で、部会においては、一般的な制度としてバーチャル株主総会に関する規律を会社法に設けて、バーチャルオンリー株主総会を開催できるようにすること等が議論されています。
 中間試案では、バーチャルオンリー株主総会の実施要件及び実施する際の手続、並びに株主総会の決議の取消しの訴えの特則などについて、具体的な規律案が示されています(規律案の主なポイントについては図表4)。
 パブリックコメントでは、例えば、(ⅰ)実施要件としての定款の定めの要否については、意見が分かれたものの、相対的にみると定款の定めを必要とする中間試案の提案に賛成する意見がやや多かった、(ⅱ)実施する際の手続としての作成及び保存する通信記録等の内容については、中間試案の(注1)の①から④までの事項は最低限必要であるとの意見や、このうち④の事項は不要であるとの意見等があった、(ⅲ)セーフハーバールールを設けること自体については、これに反対する意見もあったものの、賛成する意見が多数であった、とのことです⁷。いずれにしても、中間試案で示された枠組み自体に大きな異論は見られないところであり、今後の部会においては各論的な規律の調整等が議論された上で、要綱案の取りまとめに向かうことが想定されます。
 このような状況も踏まえて、実務的には、バーチャルオンリー株主総会の開催という企業にとっての選択肢が広まる改正が実現することを見据えて、そもそも自社にとっての株主総会の在り方をどう考えるかを含め対応方針を検討することや、通信障害対策措置や対応体制などの実務準備の検討などを進めておくことが考えられます。

図表4

バーチャル株主総会に関する中間試案の規律案の主なポイント
注:点線枠囲いは中間試案から抜粋(但し、太字・下線は筆者による。)。
出典:筆者作成

3‐3 実質株主確認制度

 近年、機関投資家による株式保有の拡大や株式保有形態の多様化に伴い、会社が株主との建設的な対話を進めようとしても、株主名簿上の株主(名義株主)の背後に存在する実際に議決権行使の判断を行う「実質株主」(株式の議決権の行使に係る指図権等を有する者)を把握することが容易ではないという課題が指摘されてきました。
 このような背景の下、部会においては、実質株主確認制度の創設に向けて様々な議論がされ、中間試案においては、上場会社を対象として、①株式会社と株主との間の建設的な対話の促進を制度趣旨とする「株式会社から実質株主を確認する制度」と、②支配に関する重要な情報の把握及び開示を制度趣旨とする「株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度」を併せて創設する提案が示されました(規律案の概要については図表5)。
 このうち、①「株式会社から実質株主を確認する制度」については、中間試案段階では実効性を確保するための規律について、過料の制裁にとどめ、議決権の停止措置までは認めない規律案が提案されていましたが、パブリックコメントでは、過料であっても課すべきではないとの意見、議決権の停止は課すべきでないとの意見、議決権の停止を課すべきであるとの意見等があり、意見が分かれたものの、相対的にみると、議決権の停止を課すべきであるとの意見が多かったとのことです⁸。これも踏まえて、その後の部会においては、過料の制裁に加えて、議決権の停止措置を設けるか否かが改めて議論されている状況にあります⁹。この点、現時点で必ずしも見通しは明らかではありませんが、いずれにしても、実効性確保の規律は、①の制度の在り方に大きな影響が及ぶ点であり、今後の議論の動向に注視が必要といえます。
 また、②「株主側から株式会社に対する通知を義務付ける制度」に関しては、パブリックコメントでは、例えば、議決権の停止の手続について、裁判所(又は規制当局)の判断を議決権の停止の要件とすべきであるとの意見、議決権停止通知を、(ⅰ)取締役会決議事項にするべきであるとの意見、(ⅱ)取締役会決議事項にするべきでないとの意見等、様々な意見があったとのことです¹⁰。
 実質株主確認制度については、制度の創設自体に大きな異論は示されていないものの、上記のとおり中間試案段階の規律案から大きな枠組みについても変更の可能性があり得るとともに、実務的な運用という観点からも依然として多くの課題は残っているとも考えられるところであり、引き続き議論の動向を注視する必要があるといえます。

図表5

実質株主確認制度に関する中間試案
出典:筆者作成

3‐4 事前の議決権の行使がされた場合における株主総会決議の合理化

 現在の上場会社の実務においては、株主総会参考書類による事前の情報開示や、書面・電磁的方法による議決権行使が広く行われており、実際には株主総会の開催前に議決の大勢が決しているケースも多いとされています。他方で、そのような中でも、適切な議事運営をしなければ株主総会の決議取消事由となってしまっていることを理由に、企業は多大な労力をかけて慎重に対応しているとの実態があると指摘されています。こうした状況を踏まえて、部会においては、事前の議決権行使の結果をもって一定の要件の下に決議があったものとみなすなど、株主総会決議の在り方を合理化できないかということが議論されています。本テーマは、広い意味では、そもそも株主が一堂に会する「会議体」としての株主総会の意義をどのように考えるかが問題となっているともいえます。
 中間試案においては、いずれも株主総会の開催自体は必要であることを前提として、規律案として【A案】、【B案】及び(後注)が提案されました(規律案の概要については図表6)
 パブリックコメントにおいては、意見が多岐に分かれたものの、取り分け株主の立場からの懸念や警戒が多く示されたとのことで、相対的にみると【A案】に反対する意見(【A案】及び【B案】のいずれにも反対する意見や【A案】、【B案】及び後注の考え方のいずれにも反対する意見を含む。)が多かった、とのことです¹¹。これらも踏まえて、その後の部会においては、引き続き見直す方向を模索しつつ、株主の懸念への配慮として、取締役の説明義務の明確化を行う提案や株主の反対機会の付与についての問題提起を行うなどの議論が続けられています¹²。
 このように要綱案の取りまとめに向けては、中間試案段階の規律案から変更の可能性はあり得るところであり、引き続き議論の行方には注視が必要といえます。他方で、本改正が実現して、株主総会決議の新たな選択肢を採用する場合には、総会関連のスケジュールや当日の運営シナリオへも影響が及ぶことが考えられます。各社においては、改正も見据えて、この機会に自社の株主総会の在り方や考え方について改めて整理・検討していくことも有意義と考えられます。

図表6

事前の議決権行使の結果による総会決議の合理化に関する中間試案段階の規律案の概要
出典: 筆者作成

3‐5 事業報告等及び有価証券報告書の開示の合理化

 2025年3月の金融担当大臣の上場会社に対する要請をきっかけに、有価証券報告書の総会前開示を行う会社数が大きく増加しましたが、その多くは株主総会の前日又は数日前の提出にとどまっており、3週間以上前といった本格的な早期提出の実現に向けては、なお検討すべき課題が少なくないとされています¹³。また、現行制度の下では、会社法上の事業報告等と金融商品取引法上の有価証券報告書との間で記載内容が重複していることに加え、会社法上の監査と金融商品取引法上の監査が併存していることが、有価証券報告書の早期提出を困難にする一因であるとも指摘されてきました。
 こうした問題意識を踏まえ、中間試案では、会社法と金融商品取引法の双方における開示・監査の重複を解消し、上場会社の開示実務の合理化を図ることを企図して、事業報告等と有価証券報告書の「一本化」の規律を置くことが提案されています。すなわち、①事業報告等に記載すべき事項を全て記載した有価証券報告書を電子提供措置開始日までに提出した場合には、事業報告等を作成することを要しないものとすることや、②会計監査人が上記①の有価証券報告書について金融商品取引法に基づく監査をした場合には、会社法に基づく会計監査人の監査をしたものとみなすことが規律案として提案されています。
 パブリックコメントにおいて、中間試案の規律案については、上記①については、反対する意見もあったものの、賛成する意見が多数であり、②については賛成する意見があり、反対する意見はなかったとのことです¹⁴。これを踏まえると、要綱案の取りまとめに向けて、基本的に中間試案の規律案を維持しつつ、今後の部会の議論が進められていくことが想定されます。
 有価証券報告書の本格的な早期開示を促進するという考え方は、2026年のコーポレートガバナンス・コード改訂において、有価証券報告書の総会前開示が株主の権利行使に係る適切な環境整備の重要な例として明確に位置づけられたこと¹⁵とも軌を一にするものです。本格的な有価証券報告書の早期開示は、本規律の導入のみをもって直ちに実現できるものではなく、決算・監査スケジュールや株主総会日程を含む実務全体の見直しを要すると考えられますが、会社法における「一本化」の規律は、その実現を後押しする重要な環境整備の一つとして期待されます。

4.おわりに

 本稿執筆時点ではなお要綱案の取りまとめに向けた議論の途上にあり、また、本稿では取り上げられなかったものの中間試案後に改めて議論の対象に挙がってきたテーマもあるため、今後も部会における議論や最終的な要綱案の取りまとめ内容を注視していく必要があります。
 今回の会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しにおいては、広い意味では株主総会の在り方を問い直す可能性のあるテーマも含まれているところであり、各社においては、法改正の成立を待たずして、今回の見直しの議論を契機として、自社における株主総会の在り方や情報開示の在り方、株主との対話の考え方や対応方針などを改めて整理するとともに、改正を見据え、現時点で検討可能な事項を洗い出し、準備できることから順次検討を進めていくことも有意義と考えられます。

参考文献

  • 1.中間試案本体及び事務当局(法務省民事局参事官室)による中間試案の補足説明については、法務省のウェブサイトで公表されています(https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00333.html)。
  • 2.本稿執筆時点の直近では、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第16回会議(令和8年7月22日開催)の資料までが法務省のウェブサイト上で公表されています。
  • 3.法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第13回会議(令和8年4月15日開催)木村参考人提供資料「スタートアップ・エコシステムの真の加速に向けて『会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案』に対するスタートアップ企業からの提言(一般社団法人Fintech協会)」など参照。
  • 4.2026年7月17日付日本経済新聞電子版「経営・市場・制度執行を一体改革 自民案、企業価値向上へ会社法改正」によれば、自民党の司法制度調査会の「成長志向型コーポレートガバナンスプロジェクトチーム(PT)」(小林史明座長)が、企業のガバナンスのあり方やアクティビスト(物言う株主)への対応に関する政府への提言案として、臨時株主総会の招集を請求できる要件を現行の総議決権の3%以上から5%以上へと引き上げることや業務執行事項に係る定款の変更に関する株主提案の提出の制限等を提言し、部会で当該提言案で示された論点が議論される旨の見通しが報じられています。
  • 5.原哲也ほか「『会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案』に対する各界意見の分析〔上〕」旬刊商事法務2428号(2026年)7頁参照。
  • 6.法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第15回会議(令和8年6月24日開催)部会資料13においても、「第1 株式の無償交付の対象範囲の見直し」のテーマについては、「【検討中】」とだけになっています。
  • 7.前掲・注5)原哲也ほか12頁~14頁参照。
  • 8.前掲・注5)原哲也ほか19頁参照。
  • 9.法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第15回会議(令和8年6月24日開催)部会資料13の42頁~44頁参照。
  • 10.前掲・注5)原哲也ほか21頁参照。
  • 11.原哲也ほか「『会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案』に対する各界意見の分析〔下〕」旬刊商事法務2429号(2026年)36頁~37頁参照。
  • 12.法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会第16回会議(令和8年7月22日開催)部会資料14の12頁~16頁参照。
  • 13.金融庁「2026年3月期に係る総会前開示の状況」(2026年7月17日)によれば、有価証券報告書の総会前開示を行った3月期決算会社は全体の88.3%となり、前期に比して著しく増加(前期は57.7%)したとのことですが、3週間以上前に開示した会社は前期に比して増加しているものの7社(前期は1社)であったとのことです。
  • 14.前掲・注11)原哲也ほか48頁参照。なお、有価証券報告書の株主総会前の開示等に関する意見として、有価証券報告書の株主総会前開示をさらに推進するべきであるとの意見があった一方で、実務上のフィージビリティを踏まえた検討が必要であるとの意見も寄せられたとのことです。
  • 15.193号のメールマガジン「コーポレートガバナンス・コード改訂案のポイント~スリム化と成長投資の促進に向けた実質化~」も参照。https://magazine.hrgl.jp/sus-opinion/sus-opinion-15181/

Opinion Leader

森・濱田松本法律事務所外国法共同事業
パートナー弁護士

Yusuke Kobayashi

東京大学法学部卒。東京大学法科大学院修了。2021年から2023年まで法務省民事局参事官室において次期会社法改正に向けた研究会の立ち上げ等を担当。「コーポレートガバナンス・コードの実務〔第4版〕」(共著、商事法務、2021年)のほか、執筆多数。